Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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ふじんのどくしょ

婦人の読書

宮本 百合子

Lisez 婦人の読書 (ふじんのどくしょ) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 784 caractères · 8 écrans

Aozora Bunko

この時期に読者としての婦人もやはり複雑な実質をもったと思う。はやくつよく進み出した部分の婦人の読者たちは、とくに社会科学の面では広汎に男とおなじ程度のおなじものを読み、そのような読者としての立場から、婦人がこの社会にもっている現実の諸条件のさまざまを具体的に理解するようになり『女学雑誌』時代の男女平等の見解よりはすすんだ女性の社会的向上を念願するようになっていたと思う。言葉をかえていえば、婦人たちは、読者として男とひとしなみであったことから、かえってはっきりと、主観的にすすんでいるつもりの自分たち女性が、歴史の大局から見ればいかにふかい渾沌のうちにつながれているかという自身の偽りない実状を会得する可能をもったのであった。これは、読者として婦人のへた一つの画期的な意義であったと思う。高い山に登る力が発揮されてはじめて、歴史の谷あいの深さ、陰翳の濃さが婦人にとって理解されたのであった。この時期の進歩的な婦人の読者たちが書物にむかう気持は実になまなましい欲望をこめたものであった。彼女たちは、一冊の本を読むことで、そこからあることを知識として知ろうとしたばかりでなく、それを自身の生きる実力の一つとして摂取してゆこうとする意慾をもっていた。