Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
おんなけいず
婦系図
泉 鏡花
Lisez 婦系図 (おんなけいず) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 172 760 caractères · 343 écrans
あいにく例のように話しもしないで、ずかずか酒井が歩行いたので、とこう云う間もなかった、早や我家の路地が。
堪りかねて、先生と、呼んで、女中が寝ていますと失礼ですから、一足! と云うが疾いか、(お先へ、)は身体で出て、横ッ飛びに駈け抜ける内も、ああ、我ながら拙い言分。
(待て! 待て!)
それ、声が掛った。
酒井はそこで足を留めた。
屹と立って、
(宵から寐るような内へ、邪魔をするは気の毒だ。他へ行こう、一緒に来な。)
で路が変って、先生のするまま、鷲に攫われたような思いで乗ったのが、この両国行――
なかなか道学者の風説に就いて、善悪ともに、自から思虜を回らすような余裕とては無いのである。
電車が万世橋の交叉点を素直ぐに貫いても、鷲は翼を納めぬので、さてはこのまま隅田川へ流罪ものか、軽くて本所から東京の外へ追放になろうも知れぬ。
と観念の眼を閉じて首垂れた。
「早瀬、」
「は、」
「降りるんだ。」
一場展開した広小路は、二階の燈と、三階の燈と、店の燈と、街路の燈と、蒼に、萌黄に、紅に、寸隙なく鏤められた、綾の幕ぞと見る程に、八重に往来う人影に、たちまち寸々と引分けられ、さらさらと風に連れて、鈴を入れた幾千の輝く鞠となって、八方に投げ交わさるるかと思われる。