Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こどものじぶんのはなし

子供の時分の話

小川 未明

Lisez 子供の時分の話 (こどものじぶんのはなし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.

N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 5 307 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

「どれ、湯に入ってこよう。」と、おじいさんはいって出てゆきました。

そこは沸かし湯の湯治場であったのです。私は独りすわって、このものすごい室の内を見まわしていました。まだランプも、電燈もなく、ただ古ぼけた行燈が、すみのところに置いてありました。私は心で、これはきっと悪者どもの巣窟であると考えました。そして、この間に逃げ出さなければならぬと思いました。私は、よくそのときのことを覚えています。このとき、按摩が笛を吹いて家の前を通りました。

私は決心をして、男どもに気づかれぬように、そっと室を出て、下駄をはきました。そして、だれか見ていぬかと四辺を見まわしますと、勝手もとのところで、まだ若い女が、白い手ぬぐいをかぶって働いていました。私は、その女の人がなんとなくやさしい人に見えましたので、そのそばへいって、

「小母さん、どうか私を家へ帰しておくれ。」と、泣いてたもとにすがりました。すると、やさしそうなその女の人は、じっと私の顔を見ていましたが、

「知れるとたいへんだから、早く私におぶさり、あのおじいさんのいないまに逃げなければならないから。」と、女の人はいって、白い手ぬぐいをとって、その手ぬぐいで、私の顔をわからないように隠しました。