Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

きせつのないまち

季節のない街

山本 周五郎

Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans

Aozora Bunko

「毎晩のことさ」と徳さんは云った、「そのうちにおめえ、とんでもねえ日にぶっつかった、くに子のやつあ妙な暦みてえな本を持っていて、それを繰っちゃあ今日はなにさまの日に当るか、ってえことを調べるんだが、その、とんでもねえ日ってのがおめえ、どっちを頭にしても、足の向く方角にはみんなそれぞれの神だか仏だかがいるってんだ」

たんば老人の顔にゆるやかな微笑がうかび、ゆるやかに消えた。それはたいへんだったろうな、と老人は同情するように云った。

「くに子のやつは寝ることができねえって泣きだした」と徳さんは続けた、「東西南北、どっちのほうにもなにかが頑張ってるし、どいつもこいつも記念日みてえな日に当っていて、どれ一つ失礼していいようなやつがねえってんだ、つまり寝るのに足の向け場がねえわけさ、あっしゃ云ってやったね、ようくその暦みてえな本を繰ってみなってさ、東西南北、どっかに隙のねえ筈はねえ、警察の非常線にだって隙はあるんだから、ってね、そうでしょうたんばさん」

それがだめなのだ、とくに子は云った。どっちの方角もぜんぶ塞がっていて、一センチの隙もないという。徳さんは痺れを切らして寝てしまったが、夜なかに眼をさましてみると、くに子は古箪笥に凭れて、坐ったまま眠っていたそうであった。