Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
きせつのないまち
季節のない街
山本 周五郎
Lisez 季節のない街 (きせつのないまち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 201 379 caractères · 394 écrans
口の悪いことではひけをとらない一群のかみさんたちでさえ、かつ子のことをがんもどきと云いながら、かなえに対しては羨望とあこがれの眼を向け、せいぜいのところ女らしい嫉妬を感ずる程度のようであった。
或るとき、社会意識にめざめた有名夫人たちが団体で、ここの住民に古衣類や菓子、粉乳や家庭薬などを、無料配給するためにやって来たことがあった。住民たちにとっては大きなよろこびだったろう、まるで餓えた野獣が獲物にとびかかるように、それらの物資に襲いかかり、すべての物をあっというまもなく奪い去ってしまった。そして、有名夫人たちがあっけにとられていると、――もうねえのか、これっぽっちしか持って来ねえのか、と男たちが喚いた。
こんなけちな物を持って来てえらそうなつらをするな、と他の男がどなり、さっさとけえれ、まごまごするとただじゃ済まねえぞ、と威し、子供たちは石ころを投げつける、という結果になった。
そういうかれらが驕慢そのもののようなかなえには、反感や悪意よりも、むしろ畏敬に似た態度を示すのはなぜだろうか。
――慰問団がやられたのは、住民たちの貧窮に触れたからだな、とヤソの斎田先生は評した。