Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

分ったかな。老人の云うことに間違いはない。用心しなさるがよい」

老人はなおも、諄々として諸戸屋敷の恐怖を説くのであったが、彼の口ぶりは何となく、私達も、十年以前の丈五郎の従兄弟という人と、同じ運命に陥るのだ、用心せよ、と云わぬばかりであった。まさかそんな馬鹿なことがと思う一方では、都での三重の人殺しの手並を知っている私は、若しやこの老人の不吉な言葉が讖を為すのではあるまいかと、いやな予感に、目の先が暗くなって、ゾッと身震いを感じるのであった。

さて、その三日の間、当の諸戸道雄はどうしていたかと云うと、私達は、毎晩枕を並べて寝たが、彼は妙に無口であった。口に出して喋るには、心の苦悶が余りに生々し過ぎたのかも知れない。昼間も、彼は私とは別になって、どこかの部屋で、終日傴僂の父親と睨み合っているらしかった。長い用談をすませて、私達の部屋へ帰って来る度にゲッソリと、窶れが見え、青ざめた顔に、目ばかりが血走っていた。そして、ムッツリと黙り込んで、私が何を尋ねても、ろくろく返事もしないのだ。

だが、三日目の夜、遂に耐え難くなったのか、彼はむずかった子供みたいに蒲団の上をゴロゴロ転りながら、こんなことを口走った。