Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ことうのおに

孤島の鬼

江戸川 乱歩

Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans

Aozora Bunko

窓を見上げて暫く立っていても、秀ちゃんも吉ちゃんも顔を見せぬので、私はいつもの合図の口笛を吹いた。すると、黒い窓の鉄格子の所へ、ヒョイと一つの顔が現われたが、私はそれを見て、ハッとして、自分の頭がどうかしたのではないかと疑った。何ぜと云って、そこに現われた顔は、秀ちゃんのでも吉ちゃんのでもなくて、父親の部屋にいるとばかり思っていた、諸戸道雄の引き歪んだ顔であったからだ。

何度見直しても、私の幻ではなかった。まぎれもない道雄が、双生児の檻に同居しているのだ。それが分った刹那、私は思わず大声に叫び相になったのを、素早く諸戸が口に指を当てて注意してくれたので、やっと食い止めることが出来た。

私の驚き顔を見て、諸戸は狭い窓の中から、しきりと手真似で何か話すのだが、秀ちゃんの微妙な目とは違って、それに話す事柄が複雑過ぎるものだから、どうも意味が取れぬ。諸戸はもどかしがって、一寸待てという合図をして首を引込めたが、やがて、丸めた紙切れを私の方へ投げてよこした。

拾い上げて拡げて見ると、多分秀ちゃんのを借りたのであろう、鉛筆の走り書きで、次の様に認めてあった。