Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
寝言の中で、彼は度々私の名を口にした。私というものが、彼の潜在意識中に、そんなにも大きな場所を占めているのかと思うと、私は何だか空恐ろしくなった。仮令同性にもしろ、それ程私のことを思い続けている彼と、こうして、そしらぬ顔で行動を共にしているのは、余りに罪深い業ではあるまいか。と、私は寝られぬままに、そんなことを真面目に考えていた。
翌日も、例の五時二十五分が来るまでは、私達は何の用事もない身体であった。諸戸には、却ってそれが苦痛らしく、一人で海岸を行ったり来たりして時間をつぶしていた。彼は土蔵の側へ近寄ることすら恐れている様に見えた。
土蔵の中の丈五郎夫婦は、あきらめたのか、それとも三人の男の帰るのを心待ちにしているのか、案外おとなしくしていた。私は気になるものだから、度々土蔵の前へ行って、耳をすましたり、窓から覗いて見たりしたが、彼等の姿も見えず、話声さえしなかった。唖のおとしさんが窓から御飯を差入れる時には、母親の方が、階段をおりて、おとなしく受取りに来た。
片輪者達も一間に寄り集って、おとなしくしていた。ただ私が時々秀ちゃんと話をしに行くものだから、吉ちゃんの方が腹を立てて、訳の分らぬことを呶鳴る位のものであった。