Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ことうのおに
孤島の鬼
江戸川 乱歩
Lisez 孤島の鬼 (ことうのおに) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 181 795 caractères · 359 écrans
絶えず壁に触っていたので右手の指先が擦りむけてしまった程だ。足は自動機械になってしまった、自分の力で歩いているとは思えなんだ。この足が、止めようとしたら、止まるのかしら、と疑われる程であった。
恐らく、まる一日は歩いたであろう。ひょっとしたら二日も三日も歩き続けていたのかも知れない。何かにつまずいて、倒れる度に、そのままグーグー寝入ってしまうのを、諸戸に起されて又苦行を続けた。
だが、その諸戸でさえ、とうとう力の尽きる時が来た。突然彼は「もう止そう」と叫んで、そこへ蹲ってしまった。
「とうとう死ねるんだね」
私はそれを待ちこがれていた様に尋ねた。
「アア、そうだよ」諸戸は、当り前の事みたいに答えた。「よく考えて見ると、僕等は、いくら歩いたって、出られやしないんだよ。もうたっぷり五里以上歩いている。いくら長い地下道だって、そんな馬鹿馬鹿しいことはないよ。これには訳があるんだ。その訳を、僕はやっと悟ることが出来たんだよ。何て馬鹿野郎だろう」
彼は、烈しい息づかいの下から、瀕死の病人みたいな哀れな声で話しつづけた。
「僕は大分前から、指先に注意を集中して、岩壁の恰好を記憶する様にしていた。