Classiques japonais avec furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans
こうも思ったが、あまりお俊にキッパリ出られたので、それを言う気に成らなかった。
姪が帰って行った後で、三吉は深い溜息を吐いた。
「何故、俊はああだろう」
とお雪に言って見た。叔父の心は姪に解らず、姪の心は叔父に解らなかった。
不意な出来事が実の留守宅に起った。お鶴を病院へ入れなければ成らない。この報知を持って、お延は三吉の家へ飛んで来た。不図した災難が因で、お鶴は発熱するように成ったのであった。
間もなくお鶴は病院の方へ運ばれた。一週間ばかり煩った後で、脳膜炎で亡くなった。
河岸の柳の花も落ち始める頃、三吉は不幸な娘の為に通夜をする積りで、お俊の家をさして出掛けた。お雪も、子供を下婢に托して置いて、夫よりは一歩先に出た。
親戚は実の留守宅へ集って来た。森彦、正太夫婦を始め、お俊が父方の遠い親戚とか、母方の縁者とか、そういう人達まで弔みを言い入れに来た。混雑したところへ、丁度三吉も春先の泥をこねてやって来た。「鶴ちゃんも、可哀そうなことをしましたね」こういう言葉が其処にも是処にも交換された。台所の方には女達が働いていた。
「ここの家は神葬祭だネ。禰宜様を頼まんけりゃ成るまい」