Classiques japonais avec furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans
そこへ三吉が帰って来た。
「まだ帰りませんか」と三吉は二人に近づいて尋ねた。
「叔父さん、どうしたら宜う御座んしょうね」と豊世は愁わしげに答えた。
「まあ家へ行って相談しようじゃ有りませんか」
こういう三吉の後に随いて、豊世は重い足を運んだ。老婆も黙って歩いて行った。
正太の家には、お仙を捜しに出たものが皆な一緒に集った。
「何時でしょう」と三吉が言出した。
「十一時過ぎました」と正太は懐中時計を出して見て答えた。
しばらく正太は沈吟するように部屋の内を歩いて見た。やがて、玻璃障子の閉めてあるところへ行って、暗い空を窺いながら立っていたが、復た皆なの居る方へ引返した。時々、彼は可恐しげな眼付をして、豊世の顔を睨みつけた。
「あぶないあぶないと平素から思っていたが、これ程とは思わなかった」正太はこんな風に妹のことを言って見た。
「一体、私が子供なぞを連れてやって来たのが悪かった」と三吉が言った。
お種は引取って、「そんなことを言えば、私がお仙を連れて出て来たのが悪いようなものだ。いや、誰が悪いんでも無い。みんなあの娘が持って生れて来たのだぞや。どんなことが有ろうとも、私はもう絶念めていますよ。