Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans
今日は駄目だ、紙入には一文も入ってやしない、と私が言いますとネ、御金のことなんぞ言ってるんじゃ有りませんよ、私がどうかします、一緒にいらしって下さい、そう向島が言って置いて、チョイト皆さん手を貸して下さいッて、橋の畔にいる半玉を呼んだというものです――到頭、あの日は、皆なで寄って群って私を捕虜にして了った」
愛慾の為に衰耄したような甥の姿が、ふとその時浮び上るように、三吉の眼に映じた。二人は両国の河蒸汽の出るところまで、一緒に歩いて、そこで正太の方は厩橋行に乗った。白いペンキ塗の客船が石炭を焚く船に引かれて出て行くまで、三吉は鉄橋の畔に佇立んでいた。
笑って正太と話していた三吉も、甥が別れて行った後で、急に軽い眩暈を覚えた。頭脳の後部の方には、圧しつけられるような痛みが残っていた。
疲労に抵抗するという眼付をしながら、三吉は元来た道を神田川の川口へと取った。
潮に乗って入って来る船は幾艘となく橋の下の方へ通過ぎた。岸に近く碇泊する船もあった。しばらく三吉は考えを纏めようとして、逆に流れて行く水を眺めて立った。
「どうせ一生だ」
と彼は思った。夫は夫、妻は妻、夫が妻をどうすることも出来ないし、妻も夫をどうすることも出来ない。