Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 141 411 caractères · 285 écrans
中の部屋の柱のところには、お房がリボンの箱などを取出して、遊びに紛れていた。三吉は思付いたように、お房の方へ立って行った。一寸、子供の額へ手を宛ててみて、復た正太の前に戻った。
その時、表の格子戸の外へ来て、何かゴトゴト言わせているものが有った。
「菊ちゃんのお友達が来た」
と言って、お雪は玄関の方へ行ってみた。しばらく彼女は上り端の障子のところから離れなかった。
「オイ、菓子でもくれて遣りナ」
と夫に言われて、お雪は中の部屋にある仏壇の扉を開けた。そして、新しい位牌に供えてあった物を取出した。近所の子供が礼を言って、馳出して行った後でも、まだお雪は耳を澄まして、小さな下駄の音に聞入った。
女学生風の袴を着けた娘がそこへ帰って来た。お延と言って、郷里から修行に出て来た森彦の総領――三吉が二番目の兄の娘である。この娘は叔父の家から電車で学校へ通っていた。
「兄さん、被入しゃい」
とお延は正太に挨拶した。従兄妹同志の間ではあるが日頃正太のことを「兄さん、兄さん」と呼んでいた。
毎日のようにお雪は子供の墓の方へ出掛けるので――尤も、寺も近かったから――その日もお延を連れて行くことにした。