Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いえ

家

島崎 藤村

Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans

Aozora Bunko

お種は嘉助の前にも膳を据えて、

「今日は旦那も骨休めだと仰るし、三吉も来ているし、何物も無いが河魚で一杯出すで、お前もそこで御相伴しよや」

こう言われて、嘉助は癖のように禿頭を押えた。

「さ、御酌致しましょう」

と嘉助は遠慮深い膝を進めた。この人は前垂を〆めてはいるが、武術の心得も有るらしい体格で、大きな律義そうな手を出して、旦那や客に酒を勧めた。

何時の間にか話も若旦那のことに落ちて行った。お種は台所の方にも気を配りながら、時々部屋を出て行くかと思うと、復た入って来て、皆なと一緒に息子のことを心配した。

「いッそのこと、その娘を貰ってやったら可いじゃ有りませんか」三吉は書生流儀に言出した。

「そんな馬鹿なことが出来るもんですかね」とお種は嘲るように言って、「お前さんは何事も知らないからそんなことを言うけれど」

「それに、お前さま」と嘉助は引取って、紅く充血した眼で客の方を見て、「娘の親というものが気に入りません……これは、まあ、私の邪推かも知ませんが、どうも親が背後に居て、娘の指図をするらしい……」

お種は何か思出したように、物に襲われるような眼付をしたが、それを口に出そうとはしなかった。