Classiques japonais avec furigana
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いえ
家
島崎 藤村
Lisez 家 (いえ) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 126 748 caractères · 254 écrans
その晩は平常より洋燈の数を多く点けて、薄暗い玄関までも明るくした。急に家の内は改まったように成った。
「今晩は」
と稲垣の娘も入って来て、母親と一緒に成った。お杉、お倉なども長火鉢の周囲に集った。
稲垣の細君は起って行って、次の部屋に掛けてある柱時計を眺めて、それから復た娘の側へ戻った。
「最早それでも皆さんは料理屋の方へ被入しったでしょうか」と稲垣の細君が言ってみた。
「どうして、おばさん、未だナカナカですよ」とお倉は笑って、「名倉さんの旅舎で御酒が出るんですもの。散々彼処で祝って、それからでなければ――」
「丁度今頃は御酒の最中だ」とお杉も言った。
「名倉さんの方では母親さんと兄さんと附いていらしッたんですッてね。必とまた吾家の阿爺が喋舌っていましょうよ。遠方から来た御客様をつかまえて、ああだとか、こうだとかッて――しかし、母親さんも御大抵じゃ有りませんね、御嫁さんの仕度から何から一人で御世話を成さるんじゃ……」
こう稲垣の細君が言うと、娘は母に倚凭りながら、結婚ということを想像してみるような眼付をしていた。
部屋々々の洋燈は静かに燃った。お倉は一つの洋燈の向うに見える丸蓋の置洋燈の灯を眺めて、