Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

とみおかせんせい

富岡先生

国木田 独歩

Lisez 富岡先生 (とみおかせんせい) de 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 15 282 caractères · 31 écrans

Aozora Bunko

ハッと思って細川は躊躇うたが、一言も発し得ない、止まることも出来ないでそのまま先生の居間に入った。何とも知れない一種の戦慄が身うちに漲ぎって、坐った時には彼の顔は真蒼になっていた。富岡老人は床に就いていてその枕許に薬罎が置いてある。

「オヤ何所かお悪う御座いますか」と細川は搾り出すような声で漸と言った。富岡老人一言も発しない、一間は寂としている、細川は呼吸も塞るべく感じた。暫くすると、

「細川! 貴公は乃公の所へ元来何をしに来るのだ、エ?」

寝たまま富岡先生は人を圧しつけるような調声、人を嘲けるような声音で言った。細川は一語も発し得ない。

「エ、元来何をしに来るのだ? 乃公の見舞に来るのか。娘の御機嫌を取りに来るのか、エ? 返事をせえ!」

校長は眼を閉り歯を喰しばったまま頭を垂れ両の拳を膝に乗せている。

「貴公は娘を狙っておるナ! 乃公の娘を自分の物にしたいと狙っておるナ! ふん」

細川の拳は震えている。

「貴公よく考えてみろ! 貴公は高が田舎の小学校の校長じゃアないか。同じ乃公の塾に居た者でも高山や長谷川は学士だ、それにさえ乃公は娘を与んのだぞ。身の程を知れ! 馬鹿者!」