Classiques japonais avec furigana
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てらだせんせいのついおく
寺田先生の追憶
中谷 宇吉郎
Lisez 寺田先生の追憶 (てらだせんせいのついおく) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 152 caractères · 26 écrans
色々な性質の粉について調べる必要があるというので、白玉粉だの小豆粉だの砂糖だのと沢山買い込んだら、理研の会計の人から、これじゃまるでお汁粉の研究ですねと言われたそうである。
こういう話を書いておれば切りがない。大学の一年間と、その後引続いて理研の三年間とは、私にとっては楽しい思出の泉である。もっとも理研の第一年は、丁度その年から先生が理研に研究室を持たれた年であった。航空研究所や地震研究所での活溌な研究生活もまだ始まらない前で、私は随分忙しい思いもした。しかし千載一遇の良い訓練を受けることが出来たのであった。いつも感謝の念をもって当時を思い返すことの出来る自分は幸運であった。
先生が亡くなられて、自分は他の多くの弟子たちと同様に、随分力を落した。そして今日のような時勢になると、切実に先生のような人を日本の国に必要としていることを感ずるのである。科学の振興には、本当に科学というものが分っている人を必要とするからである。
北海道へ来て、一人立で仕事をさせられて見ると、私は先生の影響を如何に強く受けていたかということを感ずるのである。それと同時に、時たま仕事が順調に運んだ時などには、先生のおられないことをしみじみ淋しいと思う。