Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
「てらだとらひこのついそう」あとがき
寺田寅彦 わが師の追想
中谷 宇吉郎
Lisez 寺田寅彦 わが師の追想 (「てらだとらひこのついそう」あとがき) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 31 239 caractères · 65 écrans
二、三年前、私は海軍からの委託研究のことで、航空廠長という偉い人に会ったことがある。暫く話をしているうちに、先方から、何だか君は見覚えがあると言い出された。話して見たら、その方は昔この問題の査問会の委員の一人だったということであった。「ああそうだったのか、随分大きくなったものだね」と言われて放々の態で逃げ出したが、あの頃は随分生意気な小僧だったことだろうと思いみていささか辟易した。それにしても世の中のことは、何時までも後を引くものである。
以上のように書いて見ると、あの狭い一部屋の実験室では、随分意義のある研究が、沢山並行に為されていたことになる。ちゃんとした助手などは一人もいないし、装置も学生の練習実験程度のものしか無かったのに、あれだけの研究がとにかく進行していたのは、やはり先生が余程偉かったからであろう。
霜柱の研究といっても、まず手始めにコロイドの性質に馴れようというので、桃谷君の仕事は、硝子板の上にゼラチンを流して、リーゼガング環を作ることから手をつけることになった。この方はそれで、硝子板とゼラチンのほかに薬壜が四、五本並べば、もう仕事が始められたのである。