Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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しょうらいのにほん

将来の日本

徳富 蘇峰

Lisez 将来の日本 (しょうらいのにほん) de 徳富 蘇峰 (とくとみそほう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 122 399 caractères · 240 écrans

Aozora Bunko

第一回 洪水の後には洪水あり(緒論)

もし他日機会を得ば、余は必ず本論の通則を演繹してこれを開陳せんと欲するなり。

余がこの冊子を著わすただ同志の人に頒ちてその批評を乞わんがためなり。しかれども諸友の懇切なる奨励はついに大胆にも余をしてこの冊子の運命をばわが現今日本の社会に委託するの策を決せしめたり。ああこの冊子の世間より冷遇せらるるも命なり。厚待せらるるも命なり。すでに命なり余はまた何をかいわんや。

明治十九年十月十日

東京において  著者記

第一回 洪水の後には洪水あり(緒論)

朕が後には洪水あらんとは、これルイ十五世が死になんなんとして仏国の将来を予言したるの哀辞なり。今や洪水の時代はすでにわが邦に来たり、吾人また波瀾層々のうちに立てり。もし人あり、吾人に向かってわが邦の将来を問うも、吾人はさらにいかなる言を発して、もってこれに答うべきか。

人のつねに知らんと欲するところのもの、将来よりはなはだしきものはあらざるべし。しかしてことにわが日本の将来よりはなはだしきものはあらず。なんとなれば現今のいわゆる日本なるものは、ノアの児孫が芳草萋々たるバベルの原野において天に達せんとするの石塔を築かんと企てたる上古の文明より、北狄蛮人の継続者が鉄と電気とをもってほとんど地球上の表面を一新する近時の文明に至るまで、およそ人類の記憶に存する時代の歴史をもっ