Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こはるのきつね
小春の狐
泉 鏡花
Lisez 小春の狐 (こはるのきつね) de 泉 鏡花 (いずみきょうか) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 13 102 caractères · 27 écrans
此店で草履を見着けたから入ったが、小児のうち覚えた、こんな店で売っている竹の皮、藁の草履などは一足もない。極く雑なのでも裏つきで、鼻緒が流行のいちまつと洒落れている。いやどうも……柿の渋は一月半おくれても、草履は駈足で時流に追着く。
「これを貰いますよ。」
店には、ちょうど適齢前の次男坊といった若いのが、もこもこの羽織を着て、のっそりと立っていた。
「貰って穿きますよ。」
と断って……早速ながら穿替えた、――誰も、背負って行く奴もないものだが、手一つ出すでもなし、口を利くでもなし、ただにやにやと笑って見ているから、勢い念を入れなければならなかったので。……
「お幾干。」
「分りませんなあ。」
「誰かに聞いてくれませんか。」
若いのは、依然としてにやにやで、
「誰も今居らんのでね……」
「じゃあ帰途に上げましょう。じきそこの宿に泊ったものです。」
「へい、大きに――」
まったくどうものんびりとしたものだ。私は何かの道中記の挿絵に、土手の薄に野茨の実がこぼれた中に、折敷に栗を塩尻に積んで三つばかり。細竹に筒をさして、四もんと、四つ、銭の形を描き入れて、傍に草鞋まで並べた、山路の景色を思出した。