Classiques japonais avec furigana
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しょうねんのしょくもつ
少年の食物
木村 荘八
Lisez 少年の食物 (しょうねんのしょくもつ) de 木村 荘八 (きむらしょうはち) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 263 caractères · 11 écrans
それに次いでは絵をかくことでした。
極く小さい頃のことはおぼえていませんが、度々半紙に筆で八百屋ものの戦争の絵を描いたことを記憶します。きっとその茄子が鎧を着てかぼちゃを負かしている。横手に上野の戦争のような黒い柵があって、血は筆に墨をふくませておいて紙の上へぶっと吹かけたものです。全くその絵が出来上ってから血を吹きかける時には、勇壮の感がして――今でも昔の通り思い出せます。
まだ十歳にはならなかったでしょう。十歳と云えば尋常三年ですから、尋常三年には多分軍艦や波を描いただろうと思う。一体私にあんな八百屋ものの戦争の絵を教えたのは、私の叔父だが、叔父は又何からああ云う画因を知っていたものだろう? 恐らくそんな絵草紙類があったものでしょうが見たいものです。――この叔父はなお細工ものが上手で、小さな木組をうまく扱って、そっくり二階建ての家などをこしらえていました。私はそれに真似て木をけずって軍艦をこしらえました。
所が近くの虎屋横町に住むナンブセーカンと云う、私の兄の友人が、更によく軍艦をこしらえることを知っていて、殊にナンブセーカンは出来上りの木の船へペンキを買って来て塗った。