Classiques japonais avec furigana
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したいとみんぞく
屍体と民俗
中山 太郎
Lisez 屍体と民俗 (したいとみんぞく) de 中山 太郎 (なかやまたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 3 651 caractères · 8 écrans
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石川県の富来湾は同県でも有名な漁場であるが、漁場の習いとして毎年のように、漁船の幾艘かが海上で暴風雨の為めに遭難し、稀には五人七人の漁師が屍体となって浜に打ち揚げられることもある。それも遭難後四日か五日なら甲乙が直ぐ知れるが、もし十日も二十日も経過し、膚肉が腐爛しては容易に判別することが出来ぬ。殊に漁師の常として海上で働くときは、丸裸の犢鼻褌一つであるから、持物で誰彼を知ることは困難である。それではこうした場合に、如何にしてその溺死体の甲乙を判別するかと云うに、親は子と思う屍体を、姉は弟と信ずる屍体を、妻は夫と考える屍体を、ともに自分の舌で舐めるのである。それがもし血縁あり姻縁あるものならば、舌が屍体に引ッ附くので、それを証拠としてそれぞれ屍体を引取るのだと、同地出身の文士加能作次郎から聴いたことがある。
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屍体の一部を遺族の者が食う民俗は、昔から今に至るまで、多少その形式は異っているが、各地に行われているようである。琉球では大昔は死人の肉を遺族または親族が食ったものであるが、現今では人肉に代えるに豚肉を以てするようになった。