Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)
山の憶い出 上
木暮 理太郎
Lisez 山の憶い出 上 (ふえふきがわのじょうりゅう(ひがしさわとにしさわ)) de 木暮 理太郎 (こぐれりたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 284 014 caractères · 565 écrans
幅は五、六尺に過ぎないが、平滑なる表面には手掛りも足掛りもなく、向う側はまた岩壁であるから一思いに飛び越す訳にも行かぬ。尤も高さは四、五尺に過ぎないし、且つ谷底も急ではあるが大きな岩が積み重っているので、誤って足を踏み外したにしても、東谷まで落ちて行く気遣はない。荷を背負った長次郎に扶けられながら、漸く底に下りついて吻と一息する。此処から二、三間下手で南側から空滝が落ち合っている。高さは三丈に近い。之を登るより外に方法はないから、荷は綱を用いて曳き揚げることにする。花崗岩らしい壁面は頗る堅硬であり、且つ手足の掛りもあるのは幸であった。夫から左に一の窪を伝って、岳樺の疎らに生えている恐ろしい急傾斜を二十間も登ると偃松が現われ、傾斜も少しく緩くなって、やっと安心の胸を撫で下ろすことが出来た。午後十二時五分に窓の北側を下り始めて、南側のそれも窓から四、五十間上手に寄った山稜に登りついたのは一時四十五分であったから、一時間と三十五分を要したことになる。此通路は先年中村君が同じく五竜方面から、初めて此山稜を縦走した時に通過した場所と恐らく同一の地点であろうと思う。