Classiques japonais avec furigana
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やまのあき
山の秋
高村 光太郎
Lisez 山の秋 (やまのあき) de 高村 光太郎 (たかむらこうたろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 435 caractères · 15 écrans
空は緑がかった青にすみきり、鳥がわたり、モズが鳴き、赤トンボが群をなして低く飛ぶ。いちめんのススキ原の白い穂は海の波のように風になびき、その大きな動きを見ると、わたくしは妙にワグネルの「リエンチ序曲」のあの大きな動きを連想する。ススキ原の中の小路をゆくと路ばたにはアスター系の白や紫の花が一ぱいに咲きそろい、オミナエシ、オトコエシが高く群をぬいて咲き、やがてキキョウが紫にぱっちりとひらき、最後にリンドウがずんぐりと低く蕾を出す。リンドウは霜の降りる頃でもまだ残って咲く強い草だ。その頃部落の子供らが野山をかけめぐってさがすのはアケビである。路傍によく食べのこしのアケビの皮だけがうす紫のいい色をして落ちている。これを見つけた時の子供らのよろこびが眼に見えるようだ。子供らがアケビを食べれば、牛や馬はハギを食う。この荳科の植物がよほど好きと見えて牛や馬の飼料に部落の人たちはハギを刈って山のようにかついでゆく。ハギは山野に生いしげるが、ここのはいわゆるヤマハギで赤の色がややうすい。わたくしはミヤギノハギの根を移植して小屋のまわりに繁茂させた。これは赤が濃い。