Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
やまへかえったやまがら
山へ帰ったやまがら
小川 未明
Lisez 山へ帰ったやまがら (やまへかえったやまがら) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonais avec furigana. JLPT N3. Touchez un mot pour le sens.
N3 · intermédiaire · kanji et kana modernes · 2 134 caractères · 5 écrans
」
英ちゃんは細かな枝をとおして上を仰ぎました。
「英ちゃん、いた?」
兄さんは、かごを木の下に置いて、口笛を吹きました。けれど、やまがらは、きこえないふうをしています。英ちゃんは、はるか上のやまがらの方に向かって、できるだけ高く手を上げて、小さな指を出して見せました。しかし、やまがらは、もうそんなものには見向きもしませんでした。ただ、いままで知らなかった大きな自然の中で、なにを見ても珍しいので、忙しそうに動いて、すこしもじっとしていませんでした。
「兄さん、もう帰ろうよ。」と、英ちゃんが、悲しそうにいいました。
「晩になったら、帰るかもしれない。」と、兄さんは、まだやまがらの帰るのを信じているようでした。
「もう帰ってこないよ。お家がわからないもの。」
英ちゃんは、いくつもたこの上がっている、原の方をながめて、自分たちは、二度とあのやまがらを見ることがないだろうと思いました。
家へ帰って、かごの口を開けたまま、かごを軒下の柱にかけました。先刻まで、その中には、ほおの白い、胸毛のくり色をした、かわいいやまがらがいたのにと考えると、あんなに馴れていながら逃げたことが、夢としか思えません。