Classiques japonais avec furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lisez 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) de 小島 烏水 (こじまうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 795 caractères · 274 écrans
ころは、一族主従離れ離れになり、秀綱卿が波多へ出ようとするところを、村の人々に落人と見られて取り囲まれ、主従ここで討死をした、姫は父を失い、母にはぐれ、山路に行き暮れて、悩んでいるのを、通りがかりの杣人が案内を承ると佯わり、姫を檜に縛しめ、路銀を奪って去った、ややありて姫は縛を解き、鏡を木の枝にかけていうことに、鏡は女子の魂ぞ、一念宿りてつらかりし人々に思いをかえさでやと、谷底に躍り入って水屑となる、かの杣人途にて姫の衣も剥ぐべかりけりとほくそえみて木の下に戻れば、姫はあらで鏡のみ懸かれる、男ふと見れば、鏡のおもてに冷艶雪の顔して、恨の眼星の如く、はったと睨むに、男頓に死んでけり、病める夫人は谷間へ下り立ち、糧にとて携えたる梨の実を土にうずめ、一念木となりて臨終の土に生いなむ、わが夫の御運ひらかずば、永えに美き果を結ぶことなかるべしと、終に敢えなくなりたまう、その梨の木は、亭々として今も谿間にあれど、果は皮が厚く、渋くて喰われたものでない、秀綱卿の怨念この世に残って、仇をした族は皆癩病になって悶き死に死んだため、島々には今も姫の宮だの、梨の木だ