Classiques japonais avec furigana
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あずさがわのじょうりゅう
山岳紀行文集 日本アルプス
小島 烏水
Lisez 山岳紀行文集 日本アルプス (あずさがわのじょうりゅう) de 小島 烏水 (こじまうすい) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 138 795 caractères · 274 écrans
、濃い緑の蘚苔類と混生する大久保羊歯の茂り具合などは、まだ目に残っている。そればかりではない、足利時代の『鷹筑波集』からも、猿楽狂言からも、また貞徳の「独吟百韻」からも、富士詣の群衆のざわめきは、手に取るように聞えるが、それらの参詣者は、皆この村山口を取ったものであるらしい。今川家御朱印(天文二十四年)にも、村山室中で魚を商なってはならぬとか、不浄の者の出入を止めろとか禁制があって、それには、この村山なる事を明示している。富士の表口というのは、大宮口であるが、つまるところ村山口であったのだ。私がこの道を取って登山したのは約十七、八年前であったが、その当時、既に衰微して、荒村行を賦するに恰好な題目であったが、まだしも白衣の道者も来れば、御師も数軒は残っていたが、今度来て聞くと哀しいかな、村山では御師の家も退転してしまい、古道は木こりや炭焼きが通うばかりで、道路も見分かぬまでに荒廃に任せているという。私が知ってからでも、その当時新道なるものが出来て、仏坂を経てカケス畑に出で、馬返しから四合半で古道に合したものだが、これも長くは続かず、私たちの今度取った路は最新のもので、二合目で前の新道なるものを併せ、四合目で村山からの古道を合せている。