Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

やまもとゆうぞうしのきょうち

山本有三氏の境地

宮本 百合子

Lisez 山本有三氏の境地 (やまもとゆうぞうしのきょうち) de 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 16 155 caractères · 32 écrans

Aozora Bunko

最近にも、放送局との間に、同種類の問題が生じて、山本氏は自作の放送を中止させたことがある。

山本氏は、封建的な芝居ものの社会で、作者が従来おかれていた隷属的な地位を引上げなければならないという、或る意味での社会的関心から、誰にしろ厭にきまっているいざこざに堪えて主張を押し通そうとしたのであった。

日本の資本主義の機構の中で、作家とその作品というものは、多くの場合芸術家とその芸術というに価するだけの社会的重しをもたされないし、又持たせ得る作者も尠い。山本氏が放送局と正面衝突を辞さない気持の根柢には、そのことに対する鬱積と爆発とがうかがえる。何でも一身の打算と安寧からだけ進退したがる現今の人心を、よいと認めることの出来ない常識に、こういう山本有三氏の或る程度の社会正義感の発動は、少なからず触れるものをもっているのは自然である。山本有三氏の正義感は、常識を備えた今日の一般人の胸の中に蔵せられている正義感の分量に丁度工合よくふれて行き、その扉をたたき、そして平凡な日常の中にそのまま通りすぎてゆく。読者の内に新しい疑問をかき立てて、その人間が鏡をとって改めて自分の顔を見直さずにおられない程の不安を点火したり、その人の営んでいる今日の生活の底が、ああ破れてしまったと感じさせる程の震撼を与えることもない。