Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

さんけいにいくるひとびと

山谿に生くる人々

葉山 嘉樹

Lisez 山谿に生くる人々 (さんけいにいくるひとびと) de 葉山 嘉樹 (はやまよしき) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 33 699 caractères · 67 écrans

Aozora Bunko

その上苦しい生活だ。健康さえ許せば、六十年も八十年も生きなければならぬ生涯だ。その長い峻しい生涯を、この子も、「幸福」を探して歩くんだろう。蛍と蝮の眼玉を間違えて、噛みつかれるように、幸の代りに不幸を掴むだろう。自由を求めては、ひどい拘束を食うだろう。俺が思い出して、俺の生活の中から「幸福」を摘み出そうとすれば、恋も結婚も何もかも消えてしまう。仄かに残るものは、「おやじもおふくろも、俺を叱らなかった。寝ている間に枕元に果物を置いててくれた。俺は枕頭に果物のある夢を見て、手を延して、ほんものの果物を掴んだ。そして、それにかぶりついて眼が覚めたら、おやじとおふくろが、枕頭に坐ってて、俺を見て微笑したっけなあ。三つ位、いや四つ位の時だった」そんなのが俺の幸福だったと言えば言えるだろう。俺も、子供に、子供が子供である間だけ位、自由にさせといてやろう。俺が死んだり、子供が一人立ちになれば、もう、自由も幸福も、そんなものはありはしない。生活があるだけだ。思い通りにならない、いやな時でも顔は笑っていなければならない、歪んだ、卑屈な生活が、あの子をまた捕えるんだ。