Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
あらし
嵐
島崎 藤村
Lisez 嵐 (あらし) de 島崎 藤村 (しまざきとうそん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 54 007 caractères · 108 écrans
窓が二つある。その一つからは、小高い石垣と板塀とを境に、北隣の家の茶の間の白い小障子まで見える。三郎はよくその窓へ行った。遠い郷里のほうの木曽川の音や少年時代の友だちのことなぞを思い出し顔に、その窓のところでしきりに鶯のなき声のまねを試みた。
「うまいもんだなあ。とても鶯の名人だ。」
三郎は階下の台所に来て、そこに働いているお徳にまで自慢して聞かせた。
ある日、この三郎が私のところへ来て言った。
「とうさん、僕の鶯をきいた? 僕がホウヽホケキョとやると、隣の家のほうでもホウヽホケキョとやる。僕は隣の家に鶯が飼ってあるのかと思った。それほど僕もうまくなったかなあと思った。ところがねえ、本物の鶯が僕に調子を合わせていると思ったのは、大間違いサ。それが隣の家に泊まっている大学生サ。」
何かしら常に不満で、常にひとりぼっちで、自分のことしか考えないような顔つきをしている三郎が、そんな鶯のまねなぞを思いついて、寂しい少年の日をわずかに慰めているのか。そう思うと、私はこの子供を笑えなかった。
「かあさんさえ達者でいたら、こんな思いを子供にさせなくとも済んだのだ。もっと子供も自然に育つのだ。