Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

パリさい

巴里祭

岡本 かの子

Lisez 巴里祭 (パリさい) de 岡本 かの子 (おかもとかのこ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 30 324 caractères · 60 écrans

Aozora Bunko

のようにして仕舞った巴里に対する憎みを語りたい。自分を今のようなニヒリストにしたのは今更、酒とか女とか言うより、むしろ此の都全体なのだ。

此の都の魅力に対する憎みを語って語り抜いて彼女から一雫でも自分の為めに涙を流して貰ったら、それこそ自分の骨の髄にまで喰い込んでいる此の廃頽は綺麗に拭い去られるような気がする。そしたら此の得体の解らぬ自分の巴里滞在期を清算して白髪のほつれが額にかゝる日本の妻のもとへ思い切りよく帰れよう。だがそれはまったく僥倖をあてにしている、まるで昔の物語の筋のように必然性のないものゝようだ。然しこの僥倖をあてにする以外に近頃の自分は蘇生の方法が全く見つからなかった。こうなるとあの建築学校教授が建築場で不慮の怪我で即死して、娘はエジプトへ行ってあの卒業生と結婚したとかしないとか噂だけで、行方が判らなくなったり、近頃やっと巴里にまたいるらしいという噂を突きとめたそれ以上のことが判らないのがまだ自分の不運の続きのように思え、また判らないことが却って折角たゞ一つ残って居る美しい夢を醒さないでいて呉れる幸福のように思えた。

新吉が金槌をいじりながら考え込んでいるのを見て夫人は意地悪くねじ込むような声で言った。