Classiques japonais avec furigana
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こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lisez 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 365 120 caractères · 728 écrans
円頂の身が、かような俗事に口を入るるは異なものじゃが、わしも柘植家の一人であり、おゆうさんとは、兄弟同然に親しくした間柄じゃから、柘植の家のために、またお高どののために、ここのところをはっきり聞きたいと思うのじゃが――」
伊之吉の返答は、いっそう意外なものであった。
それは、和泉屋は、この十年間ほどに躍進的に発展して、もとおゆうのもっていた和泉屋よりも、倍にも盛んなものになっている。したがって、いまおゆうの娘が現われたところで、現在の和泉屋全体がその手に返るということはないけれど、以前の和泉屋だけの株と、それから上がるもうけだけは、誰が何といおうと、当然そのお高という女のものでなければならない。実際また、いまこの和泉屋の総元締めをしている人が、珍しく堅い男で、柘植の裔が妙なぐあいに消えうせた形になっているものの、いつかは誰か名乗り出て和泉屋へ手をかけてくるであろうと、それを見越して、それだけの額は、かりに柘植の世話役というようなものを立てて、その者へすっかりまかせてあるというのだ。
律儀な、筋の通った話である。
伊之吉は、語をつないで、
「良人の相良寛十郎さまも、おゆう様の財産からいくらかわけてもらったという評判でございました。