Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

こうせつきょうほうずえ

巷説享保図絵・つづれ烏羽玉

林 不忘

Lisez 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 365 120 caractères · 728 écrans

Aozora Bunko

「どうだか、怪しいもんだぜ。お駒太夫が男ぎらいになったら、おいらは今一度、廿歳代に若返るだろう」

「人聞きの悪いことをおいいでないよ。ほんとに男じゃあ今度ですっかり手を焼いたのさ。それはそうと、お前さんはまだ茶番のほうかい」

「そうそう。そういえば、田川では、おいらは茶番のまねみてえなことをやっていたっけな。おめえは大名題――なに、今だって、いつだって、おいらは茶番をやっているのだ。生きて行くてえことが、それだけで茶番なのだ」

「また十八番がはじまったねえ。それはそうだろうけれど、両国の小屋では、何をやっておいでだときいているのさ」

「おいらはもとから手妻師なのだ。両国でも、手妻のほうをやっているよ」

「あたしも、いまになってみると、いっそ芝居のほうをやり通してくればよかったと思っているのさ。何やかや、おじいさんには、聞いてもらいたいことが山のようにあるんだよ」

二人はちょっとしんみりして、押し黙って、狭い藤代町の通りを歩いて行った。陽の弱よわしい夕方近いころで、通る人の影が、寒く長く路上に倒れていた。やがて、下っ端芸人などの泊まる、木更津屋という軒行燈を掲げた安宿の前へ出ると、日本一太郎は、顎をしゃくって、お駒ちゃんをかえりみた。