Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こうせつきょうほうずえ
巷説享保図絵・つづれ烏羽玉
林 不忘
Lisez 巷説享保図絵・つづれ烏羽玉 (こうせつきょうほうずえ) de 林 不忘 (はやしふぼう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 365 120 caractères · 728 écrans
ああ、ええ陽気じゃわい。枯れ木にも花が咲いて、わしがごとき老骨でさえ浮かれ出しとうなるて。わっはっはっは」
「先生、そんな大きな声をお出しになると、新太郎さんが眼をさまします」
「おお、さようじやったな。しかし、今年の春はまた格別じゃぞ」
「わたくしには、その春の命がいかにも短いように思われてなりませぬ」
「またしてもそのような述懐! 京表よりもどって以来、そこもとはどうも気が弱うなった。いいやいや隠さんでもよい。人の心はさまざまの日が来るものじゃ、うむ、それよりも守人殿、ここに一つ、ぜひ御辺に見せたいものがある」
年寄りだけあって、玄鶯院は古風ないい方をする。
家内では守人がたちあがるようす。
「先生、何でございます」
「まずこれへ出られい」
とうとう引っ張り出された形、竹の濡縁から庭下駄を突っかけて、ゆらりとおり立った一人の若者。
水戸の浪士篁守人である。
まだ前髪を落としてまもなかろう。色白の中肉中背、といっても野郎風ののっぺり顔ではない。気骨凌々たる眉宇と里見無念流の剣法に鍛えた五体とがきりりと締まって、年よりは二つ三つふけても見えようが、病み上がりとはいえ、悍馬のようなはなやかさが身辺にあふれているから、苔臭い庭がぱっと明るくなったほど、なんとも立派な若衆ぶりだ。