Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

いちろうのみせ

市郎の店

豊島 与志雄

Lisez 市郎の店 (いちろうのみせ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 4 067 caractères · 9 écrans

Aozora Bunko

一

一

ある港町の、港と停車場との間の、にぎやかな街路に、市郎の店はありました。店といっても街路の上の屋台の夜店で、その夜店のほんのかたはしなのです。

そのへんは、船や汽車の旅人がたくさんゆききするところで、また、町の人がたくさんであるくところです。それで、夜になると、いろいろな夜店がたちならびました。

市郎の夜店は、市郎のお母さんが出していたものです。いろいろな絵葉書や絵本や玩具などを売っていました。ところが、お母さんが病気になって、夜店に出られなくなりましたので、夜店仲間の、あるおかみさんに、一時そこを預ってもらっているのでした。市郎のお父さんはもう亡くなっていました。

その夜店のかたはしに、市郎は自分の貝殻を並べたがりました。

「お母さんの店だから、僕が自分の品物を出しといて、監督に行くんだよ。」と市郎はいいました。

お母さんは弱々しい咳をしながら、頬で笑い、眼でにらんで、いいました。

「生意気なことをいうもんじゃありません。」

それでも、市郎がしきりに夜店に出たがりますので、お母さんは、店を預ってるおかみさんと相談して、土曜日と日曜日との晩だけなら――とゆるしてくれました。