Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ていぎんじけんをろんず

帝銀事件を論ず

坂口 安吾

Lisez 帝銀事件を論ず (ていぎんじけんをろんず) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 227 caractères · 15 écrans

Aozora Bunko

しかし、自分が暖衣飽食する以上、それについての内省を忘れてはならぬ。私は暖衣飽食とはゆかないけれども、千八百円ベースの人々にくらべれば、はるかにゼイタクな暮しをしているであろう。概ね小説家はそうである。闇屋もそうである。飲食店のオヤジも、パンパンも、そうである。そうであるからわれわれは、人々に窮乏に堪えよ、などとは説きはせぬ。もしも私が、読者にむかって、耐乏生活の小説などを書き、ヤミの悪徳を説いたなら、文士としては愧死すべきことであり、かかる徒輩は文学者として存在しえないものである。

しかるに、政治家のみは、自らは暖衣飽食しながら、国民に向って、ヤミ屋は国賊だといい、千八百円ベースの配給生活に耐えざるものは罪人であるかのごとくいう。かかることを公言して愧死した政治家も官僚もおらず、失脚した政治家もおらぬ。

千八百円の配給生活では、けっして生きてゆかれぬ。現実はそれを明示しており、判事は餓死し、政治家は暖衣飽食しているではないか。しからば、なぜ、政治政策の基本概念として、千八百円の配給では食ってゆかれぬ、各人がその各人のなにかのルートによって生きのびている、その実際を厳しく承認してかからないのか。