Classiques japonais avec furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lisez 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) de 高村 光雲 (たかむらこううん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 7 640 caractères · 15 écrans
ました。
段々と仕事の進むにつれて、大仏の頭部になって来ましたが、大仏の例の螺髪になると、ちょっと困りました。俗に金平糖というポツポツの頭髪でありますが、これをどうやって好いか、丸太を使った日には重くなって仕事が栄えず、板ではしようもない。そこで、考えて、神田の亀井町には竹笊を拵える家が並んでおりますから、其所へ行って唐人笊を幾十個か買い込みました。が、螺髪の大きい部分はそれがちょうどはまりますけれども、額際とか、揉み上げのようなところは金平糖が小さいので、それは別に頃合いの笊を注文して、頭へ一つ一つ釘で打ち附けて行ったものです。仏さまの頭へ笊を植えるなどは甚だ滑稽でありますが、これならば漆喰の噛り附きもよく、案としては名案でありました。
「やあ、大仏様の頭に笊が乗っかった」
などと、群衆は寄ってたかって物珍しくわいわいいっております。突然にこんな大きなものが出来出したので、出来上がらない前から人々は驚いているという有様でありました。
或る日、私は、遠見からこれを見て、一体どんな容子に見えるものだろうと思いましたので、上野の山へ行って見ました。ちょうど、今の西郷さんのある処が山王山で、其所から見渡すと、右へ筋違いにその大仏が見えました。