Classiques japonais avec furigana
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ばくまついしんかいこだん
幕末維新懐古談
高村 光雲
Lisez 幕末維新懐古談 (ばくまついしんかいこだん) de 高村 光雲 (たかむらこううん) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 1 781 caractères · 4 écrans
大工になるのも好いが、彫刻師になる方がお前の行く末のためにはドンナに好いか知れないんだ。……という話を安さんが私の頭を結いながら乗り気になって話しますので、私も子供心にチョイと脳が動いて、
「小父さん、その彫刻師ってのは、あの稲荷町のお店でコツコツやってるあれなんですか」と私は使いに行く途中にその頃あったある彫刻師の店のことをいい出しますと、
「あんなもんじゃないよ。あれは、ほりもの大工で、宮彫りというんだが、俺のいう高村東雲先生の方は、それあ、もっと上品なものなんだ。仏様だの、置き物だの、手間の掛かった、品の好い、本当の彫物をこしらえるんで、あんな、稲荷町の荒っぽいものとは訳が違うんだ。そりゃ上等のものなんだ。だからお前、ただの大工や宮師なんかとは訳が違って素晴らしいんだよ。光坊、お前やる気なら、俺がお前のお父さんに話してやる。どっちも知った顔だから、俺が仲へ這入ってやる」
こう安さんはしきりと私に勧めます所から、私も何時かその気になって、
「それじゃア小父さん、私は大工よりも彫刻師になるよ」と承知をしました。
そこで、気の逸い安床は、夜分、仕事をしまってから、私の父を訪ねて参り、時に兼さん、これこれと始終のことをまず話し、それから、