Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
まぼろしのたて
幻影の盾
Lisez 幻影の盾 (まぼろしのたて) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 22 372 caractères · 45 écrans
「わしじゃ」とシワルドが、進めぬ先から腰懸の上にどさと尻を卸す。「今日の晩食に顔色が悪う見えたから見舞に来た」と片足を宙にあげて、残れる膝の上に置く。
「さした事もない」とウィリアムは瞬きして顔をそむける。
「夜鴉の羽搏きを聞かぬうちに、花多き国に行く気はないか」とシワルドは意味有気に問う。
「花多き国とは?」
「南の事じゃ、トルバダウの歌の聞ける国じゃ」
「主がいにたいと云うのか」
「わしは行かぬ、知れた事よ。もう六つ、日の出を見れば、夜鴉の栖を根から海へ蹴落す役目があるわ。日の永い国へ渡ったら主の顔色が善くなろうと思うての親切からじゃ。ワハハハハ」とシワルドは傍若無人に笑う。
「鳴かぬ烏の闇に滅り込むまでは……」と六尺一寸の身をのして胸板を拊つ。
「霧深い国を去らぬと云うのか。その金色の髪の主となら満更嫌でもあるまい」と丸テーブルの上を指す。テーブルの上にはクララの髪が元の如く乗っている。内懐へ収めるのをつい忘れた。ウィリアムは身を伸したまま口籠る。
「鴉に交る白い鳩を救う気はないか」と再び叢中に蛇を打つ。
「今から七日過ぎた後なら……」と叢中の蛇は不意を打れて已を得ず首を擡げかかる。