Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
しょみんせいかつ
庶民生活
豊島 与志雄
Lisez 庶民生活 (しょみんせいかつ) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 10 353 caractères · 21 écrans
自動車やトラックやいろいろな事輌が通る広い坂道があった。可なり急な坂で、車の滑りを防ぐためにでこぼこの鋪装がしてあった。自転車の達者な者は、一気に走り降りることも出来たが、昇りはみな徒歩で自転車を押し上げた。
その坂道を昇りきったところ、逆に言えば降り口に、小さな中華ソバ屋があった。その辺一帯は戦災地域で、焼け残りの家と、新たに建てた家と、焼け跡の荒地とが、雑然と入り交っていた。中華ソバ屋は、狭い地所に新築した小さな家で、出来る品物も数少く、ワンタン、ラーメン、チャシュウメン、それから時折シュウマイと、それぐらいに過ぎなかった。その代り、味はよかった。材料の仕入れにも気を使い、作り方にも念を入れ、儲け主義ではなくて味本位だった。だから、常連とも言える客がいつもあったし、遠方からわざわざ食べに来る客もあった。
小さな卓子を三つ配置しただけの土間の客席、その正面の置台を距てて、調理場があり、おばさんと皆から呼ばれてるお上さんが、独りで忙しく働いていた。えっちらおっちら歩くほど肥満したひとで、思うことは何でもずばずば言ってのけるくせに、いつもにこにこした福相な顔をしていた。