Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
Lisez 影男 (かげおとこ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 154 133 caractères · 310 écrans
ぼくの場合と同じで、はっきりしたことは何もないじゃないか」
「だからこわいのよ。相手がはっきりわかってれば、速水さんに相談もできるんだけど。まるで幽霊みたいに正体を現わさないでしょう」
昌吉は、ふくしゅうの悪念に燃えた川波良斎の顔を思い出した。ヘビのようにサーッと音をたてて草むらを歩くという、あの男のことを思い出した。かれは立っていって、そっと窓のガラス戸を細めにひらき、前の往来を見おろした。
自転車に乗ったご用聞きらしい小僧が通っていった。アパートの隣家の娘が盛装をして、どっかへ出かけていくのが見えた。保険の勧誘員みたいな、カバンをさげたあぶらっこい顔つきの中年男が、てくてくと通りすぎた。自転車のうしろに大きな金網のかごをつけた郵便配達が、アパートの前で自転車を降り、かごの中からいくつかの小包郵便を取り出して、下の入り口に姿を消した。どこにもうろんな人影はなかった。電柱の陰にも、向こう側の路地の中にも、人の隠れている様子はなかった。
「怪しいやつはいないよ」
それが当然だという顔をして、もとの席にすわった。
「そうよ。あたしも、ときどき、そこからのぞいてみるんだけれど、怪しい人はいないわ。