Classiques japonais avec furigana
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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
かげおとこ
影男
江戸川 乱歩
Lisez 影男 (かげおとこ) de 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 154 133 caractères · 310 écrans
「ほっといてくれ。おれは人外なんだ。人外とは、人間でないということだ。おまえさんにゃわかるまい」
その声が何かしら惨澹たる哀調をおびていたので、速水はふと、この五十男を探求してみる気になった。むろん、このぼろ男は、こじきとまでいわれているのだから、ゆすりの種にはならない。だが、速水荘吉は常にゆすりのためにのみ動いているわけではなかった。
かれはぼろ男の腕をかかえて歩きだした。重い荷物だった。酔いつぶれたぼろ男は、自分で歩く力はなく、全身の重みでよりかかってきた。悪酒のにおいと異様な体臭がムンムン鼻をうった。
ブラック・マーケットを通りぬけて、表通りに出ると、やや広い大衆酒場があった。速水はぼろ男をつれて、その店の片すみの床几に腰をおろした。
「何か飲むか」
「チューといこう。チューだ、チューだ」
ボロ男が回らぬ舌で注文した。速水はよごれたエプロンの男ボーイに、焼酎と日本酒を持ってくるように命じた。
コップが来ると、ぼろ男はがつがつと口をつけて、よだれをたらしながら、一気に半分ほど飲んだ。そして、残りの半分の液体をじっと見つめていたが、やがて、赤く充血した目がなんとなくいきいきしてきた。