Classiques japonais avec furigana
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デンマルクこくのはなし
後世への最大遺物 デンマルク国の話
内村 鑑三
Lisez 後世への最大遺物 デンマルク国の話 (デンマルクこくのはなし) de 内村 鑑三 (うちむらかんぞう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 47 456 caractères · 94 écrans
一つの土木事業を遺すことは、実にわれわれにとっても快楽であるし、また永遠の喜びと富とを後世に遺すことではないかと思います。今日も船に乗って、湖水の向こうまで往きました。その南の方に当って水門がある。その水門というは、山の裾をくぐっている一つの隧道であります。その隧道を通って、この湖水の水が沼津の方に落ちまして、二千石乃至三千石の田地を灌漑しているということを聞きました。昨日ある友人に会うて、あの穴を掘った話を聞きました。その話を聞いたときに私は実に嬉しかった。あの穴を掘った人は今からちょうど六百年も前の人であったろうということでございますが、誰が掘ったかわからない。ただこれだけの伝説が遺っているのでございます。すなわち箱根のある近所に百姓の兄弟があって、まことに沈着であって、その兄弟が互いに相語っていうに、「われわれはこの有難き国に生まれてきて、何か後世に遺して逝かなければならぬ、それゆえに何かわれわれにできることをやろうではないか」と。しかし兄なる者はいうた。「われわれのような貧乏人で、貧乏人には何も大事業を遺して逝くことはできない」というと、弟が兄に向っていうには、「この山をくり抜いて湖水の水をとり、水田を興してやったならば、それが後世への大なる遺物ではないか」