Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

おはぎとななくさがゆ

御萩と七種粥

河上 肇

Lisez 御萩と七種粥 (おはぎとななくさがゆ) de 河上 肇 (かわかみはじめ) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 11 614 caractères · 23 écrans

Aozora Bunko

藤村家から帰って来て翌年の明治二十三年には、叔母はまた稲田家へ嫁いだ。それは私の満十年九ヶ月になった時のことである。

稲田家は錦川の下流、海に近い田畑の中にあった。今では山陽線の下り汽車に乗ると、麻里布駅の次が岩国駅になっているが、稲田家はその麻里布駅に近く、私の家は岩国駅に近い。しかし当時はまだそんな鉄道など見ることも出来なかった。で、叔母は川舟に乗って嫁入をした。

叔母がその時どんな服装をしていたか、全く覚えていないが、ともかく彼女は私のうちを出て、土手を越し、竹藪の中の雑草の生茂った細道を通り抜け、川原畑の畦道を歩いて、一面の石ころに覆われた川原に出で、そこから舟に乗ったものに相違ない。それは俥などの通り得る道ではなかった。祖母、父、母、私、弟、これがその一行であったであろう。末の弟は前年に生れてまだ誕生日を過ぎぬ頃のことであったから、多分誰かに預けられて留守居したであろう。

赤い毛氈を敷いた一艘の屋形舟は、一行を載せ、夏の川風に吹かれながら、鮎や鮠などの泳いでいる清い流れの錦川を棹さして下った。

舟を下りてから稲田家までは、多分俥に乗ったであろう、私は今覚えていない。