Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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「しんりしけん」じょ

心理試験

小酒井 不木

Lisez 心理試験 (「しんりしけん」じょ) de 小酒井 不木 (こざかいふぼく) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 96 338 caractères · 197 écrans

Aozora Bunko

となり、「双生児」となり、「二癈人」となると、到底外国人では描くことの出来ぬ東洋的な深みと色彩とを帯んで、丁度日本刀のニオイを見るような、奥床しい感じをそそられるのである。単にそればかりでなく、「恐ろしき錯誤」、「赤い部屋」、「心理試験」になると、その水の滴らんばかりの日本刀で、ずばりと首を切られた味だ。まさにこれ、「電光影裏截春風」の形であって、到底欧米人には味い得ない味だといっても敢て過言ではあるまいと思う。

探偵小説は理知の文学であるから、ことによると読者の中には、江戸川兄の作品を解剖して、そのどの部分に私が感服するかと質問する人があるかも知れない。しかしながら、日本刀のニオイを顕微鏡を以て研究して見ても、ニオイの味はさっぱりわからぬと同じく、いかに理知の文学でも、こまかに解剖して批評しようとしては、折角の味は滅茶々々にされてしまう。私は江戸川兄の作品を読んで、この部分のこういう風に出来ているから面白いと思ったことは一度もなく、全体を読み終って、その際受けた感じが、たまらなくよいから、面白いという迄である。日本刀のニオイでも、顕微鏡にかけたならば、案外に汚ない部分がないとも限らぬように、優秀な探偵小説でもその部分々々を、綿密に検討したならば、多少の不自然や、「こしらえ」