Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ひつよういじょうのもの

必要以上のもの

豊島 与志雄

Lisez 必要以上のもの (ひつよういじょうのもの) de 豊島 与志雄 (とよしまよしお) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 5 415 caractères · 11 écrans

Aozora Bunko

クロポトキンがマルクス一派を最も憎悪した点は、人間の欲望の無視ということであった。

そういうわけだから、私が例えば一個の石に執着したとて、軽蔑されるには当らないのである。その頃私は可なり夢中になっていた。料理屋の女中をつかまえて、今一番ほしいものは何だい、などと口占をひいてみたり、こちらのことを反問されると、即座に得意げに、石だと、それが宛も恋人の名前でも云うように嬉しがったものだ。その私の言葉尻をとらえて、B君は盆石のことを話しだしたことがあった。尤もそれは父親から引継いだ趣味らしく、自分で集めたものは少なかったらしい。盆石といっても、主として水石であって、それも加工しない天然自然のものだけを好んでいたらしい。私はいろいろその話をきいたが、よく分らなかったし、多くは忘れてしまった。ただ苔の話だけは妙に頭に残っている。

「……苔と石とは、全く一体をなすものです。だから、苔が生きてるのか、石が生きてるのか、分らなくなりますよ。またそういう石でなければ、ねうちがありません。箱にしまいこんだ石を、一年も二年もたってから取出して、水をそそいでやりますと、その肌から、苔の美しい緑色がふいてきますからね、話をきいただけでは誰だって不思議に思いますよ。