Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あやしのやかた

怪しの館 短編

国枝 史郎

Lisez 怪しの館 短編 (あやしのやかた) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 81 915 caractères · 165 écrans

Aozora Bunko

(またあのお方が通って行く。……似ている。……いいえ酷似だ! ……あのお方に相違ない。……では妾はここにはいられぬ。……妾の身分があの人によって。……でもどうしてあのお方がご出家なんかしたのであろう?)

恋しい人……憎い人……秘密を知られた人……弥兵衛様……今は新発意――その人のことが彼女の心を、この日一日支配した。

「おきた、わしはもう駄目だ。わしはもう江戸にはいられぬ」

いつもの船宿へおきたを呼び出し、貝塚三十郎はそう云った。おきたの心を喜ばせるため、幾度となく辻斬りをし、金を取ったことを感付かれ、手が廻ったということを、云いにくそうに三十郎は云った。

おきたは黙って聞いていたが、

「妾も江戸を売りまする。ご一緒に連れて行ってくださりませ」

と云った。

その後も例の新発意が、絶えず店の前を通ることや、絵双紙屋で自分の一枚絵を買っていた姿を見かけたことなどを、心のうちで思いながら、そうおきたは云ったのであった。

奥州方面へ落ちようとして、三十郎とおきたとは夏の夜の、家の軒へ蚊柱の立つ時刻に、千住の宿を出外れた。

三十郎は満足であった。明和年間の代表的美人、春信によって一枚絵に描かれ、江戸市民讃仰のまとになったところの、笠森お仙や公孫樹のお藤、それにも負けない美人として、現代一流の浮世絵師によって、四季さまざま