Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

Lisez 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) de 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 233 caractères · 223 écrans

Aozora Bunko

私は、見るともなく、彼の寝顔に見入った。その余りにも瘻れ果てた容貌、いたいたしいばかりに薄っぺらな胸板――彼は、一体どんな女に溺れてしまったであろうか……。

思い出すともなく、少年時代からの彼の様子などを考え出していた時、私は、思わずアッと叫ぶところであった。

彼が起き上ったのだ。

ダガ、彼はまだ寝ているのである。危なっかしい早瀬を渡るような足取りで、ベットからはなれたのだ。

(夢遊病――)

忌わしいそんなコトバがフト浮んだ。彼は私の前を無視して、押入の方に歩いていった。彼はたしかに目を開いていた。だが、その瞳はそこひのように濁っていた。

私が、呆然としている中に、彼は押入まで辿りつくとその戸を開けて、何か、がさがさと抱え出した。

『アッ……』

到頭、私は小さい驚ろきの声を出してしまった。押入の中には美しい少女がいるではないか。

彼はその少女を懐げに抱えると、又ベットに帰り始めたのであった。私は思わず椅子から腰を浮かせた。

(人形か――。人形だ)

如何にもそれは、驚ろくべきほど精巧につくられた外国人形であった。一目見た時は、はっとするほど精巧な人形であった。