Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

あしのうら

怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像

蘭 郁二郎

Lisez 怪奇探偵小説名作選7 蘭郁二郎集 魔像 (あしのうら) de 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 109 233 caractères · 223 écrans

Aozora Bunko

なんて彼女を抱き起したりしてね。どうも怪しい様な気が、「感じ」が、するんだよ』

『でも君、その山鹿が抱き起す前に、学生が脈がないといったんだろう』

『うん』

『心細いね、「感じ」だけでは証拠にならんじゃないか』

『そりゃそうさ、――そういう君だって解らんのだろう』

『いや、僕は現場を見ていないからね』

『ずるいぞ、現場を見てたって、それ以上わかるもんか』

『ふん、それは鷺太郎君のいうように山鹿というのが怪しいな……』

婦長に患者の処置を指図しながら、黙って聞ていた畔柳博士が、ごくんとお茶をのみ乍ら、いった。

『でも、その山鹿という男が、近づく前に、既に死んでいたんじゃないですか』

春生は、不服気に畔柳博士の方を振向いた。

『そうさ、山鹿がそばに行った時は、死んでいたんだよ。その娘は毒殺されたんだ、とは考えられないかい。――その事件が起る前に、山鹿がその娘にある方法で、例えば口紅に毒を塗っておくとか、泳いでいるそばに行って、あやまって水吹をかけたようにして毒を含ませてもいい、兎に角、毒を与えたんだ。そうすれば、その娘は気持が悪くなって、砂に寝て、それっきりになるのは当然だ』