Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
こいのでんしちろう
恋の伝七郎
山本 周五郎
Lisez 恋の伝七郎 (こいのでんしちろう) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 29 650 caractères · 60 écrans
んだ、なにかと云えば鈍物だの愚か者だ、家名を汚すとか、一族の名折れだとか、親父も兄貴もまるっきりおれを眼の敵にする、外へ出たって同じことだ、誰もまじめにおれとは付合う者はいない、誰も彼もにやにやと妙な笑いかたをしておれを見る、親父が中老だから挨拶は丁寧だが、心の中で舌を出してるのがはっきりわかる、それゃあおれはこのとおりの人間だ、だが、好きこのんで醜男になったんじゃあない、頭の悪いのも不器用なのも、みんな親が生みつけてくれたんだ、笑うなら親を笑ってくれ、おれは時どきそう呶鳴りたくなる、本当のはなしだぜ忠さん」「うん……」と、忠太はなにか喉にひっ絡まったような声をだした。伝七郎は盃を取って一くち啜り、ほっと溜息をついてから続けた、「だがおれには呶鳴ることもできない、どんな眼で見られてもどんな悪口を云われても、どんな意地の悪い扱いをされても黙って首を縮めて、こそこそ隅のほうへ引込むだけだ、なにしろ自分がいちばん自分の値打ちを知っているからな、……ただここへ来たときだけは、おまえとこうして話すときだけはおれも人間らしくなる、このとおり楽々と坐って、誰に気兼も遠慮もなく呑んだり話したりできる、おれは嬉しい